Marketing

顧客を分けよう|デシル分析とRFM分析

新米CRMプランナーと一緒に成長していくシリーズ第2弾!

前回の記事ではCRMの基本的な考え方を解説しました。
ざっくりおさらいすると、
CRMは顧客を適切に分け、分けたグループに対して適切な施策を打つことで顧客との関係性を強めて企業収益を上げるためのプログラムでしたね。

「いや、顧客を分けるって言われても良くわかんないよ!」
「顧客全員を知ってるわけじゃないし…」
と思った方も大丈夫!

顧客の分け方については色々な方法があるのですが、
ここではポピュラーな2つの分析を解説します!

それが「デシル分析」「RFM分析」です。

デシル分析

デシル分析は顧客を購入金額順に10等分して購入比率や売上構成比を分析する方法です。
これを使えば前回紹介したパレートの法則を確かめることもできそうだ。

繰り返しになりますがCRMで重要なことは「顧客を適切に分けること」なので、
まずはデシル分析を使って購入金額順で自社の顧客を分けてみましょう。
そこで自社の売上構成比がどんな配分になっているのかを確認し、
どの層の顧客に対して投資していくかを考えていきます。

しかしここで注意点!
デシル分析では1回だけ爆買いしたお客さんが上位グループに含まれる可能性があります。
あくまで購入金額順でグループ分けするため、
1回で10万円買ってくれたAさんと、3回でトータル10万円買ってくれたBさんは同じグループになります。
すでに3回も購入してくれているBさんはある程度自社に対して好感を持ってくれている可能性がありますが、1回爆買いをしたAさんがこの後も継続して購入してくれるかは分かりません。

逆も然りで、10回の継続購入をしてくれているけど単価は低いので下位グループにいるCさんというのもいるでしょう。

このようにデシル分析では特殊な動き方をする顧客も「購入金額」でグループ分けされることを覚えておきましょう!

そして購入金額以外の要素も加えて顧客を分けたいよー!というそんなあなたのために次はRFM分析をご紹介します。

RFM分析

R(Recency:最新購入日)
F(Frequency:購入回数)
M(Monetary:購入金額)
の3つの軸で顧客を分けることで優良顧客を抽出する分析方法です。

購入金額順で分けたデシル分析にさらに購入頻度や、どれくらいの期間で買ってくれたのかというデータが加わることで分類できる幅が広がります。

そもそも優良顧客の定義も業種によって異なりますよね。
高額な商品・サービスを買ってくれる人でなくても、頻度多く定期的に買ってくれる方がいい場合もあります。

その点、RFM分析では自社が定めた優良顧客の定義に合わせて分析を変えることができるところが便利です。

ちなみに業種によってはM(金額)を外してRF(期間×頻度)だけで分析する場合もあります。
M(金額)はF(頻度)に比例する場合も多いので、ちょっとややこしいと思ったらMを捨てて分析してみましょう。

私も思い切ってMを捨ててRFだけで分析を行いました。

RFM分析でわかること

上図は実際に行ったRF分析の結果です。
細かい数字はお見せできませんが、私は分析結果から顧客を5グループに分けました。

ロイヤル顧客:来店頻度が高く直近も購入してくれている
新規顧客:直近で1〜2回の購入がある
カムバック顧客:来店頻度は高いが最近購入がない
ランクアップ要顧客:来店頻度が少なく最近購入がない
離反傾向顧客:来店頻度が少なく前回の購入からかなり日が経っている

この5グループは私が設定した基準なのでもっといろんな出し方があるとは思いますが、
大事なことはどのグループに対して施策を打つべきかを考えるということです。

「新規顧客グループ」にはリピート促進の施策を、
「離反傾向顧客グループ」には復活促進の施策を打つなど、
各グループに対しての対策は色々考えられますが、自社が今強化すべきグループはどこで、
そのためには何をするべきかという視点が大事ですね。

RFM分析の設定

RFM分析を設定する際の基準については企業によって様々なようです。

R(最新購入日)の場合は、どれくらいの期間で再来店してほしいのかというところから考えます。
月に1回は来てほしいのであれば1ヶ月、半期に一度なら3ヶ月といった感じです。
その基準も決まってないよー!ということであれば、顧客全体の1年間の購入履歴をもとにヒストグラム(度数分布図)を描いて現状を確認してみましょう。

例えばヒストグラム上で全体の購入日間隔の平均が120日だった場合、
購入日から3ヶ月以内のリピート促進が目安になります。
従って3ヶ月に1回は来店してもらうことを目標にすることができます。

F、Mについても同様にヒストグラムを描くことでボリュームゾーンが見えてきますよ。

データ分析の注意点

データ分析をする際には平均値の罠に注意しましょう!

R(最新購入日)の場合、平均値をベースにするだけでは傾向は正しく測れない場合があります。
単純に購入日間隔の平均値を取るのではなくて中央値最頻値がどうなっているのかを見る必要があります。

特にM(購入金額)は期間中に爆買いした人が1人いるだけで平均値が大きく変わることがあるので、必ず中央値、最頻値を確認しましょう!

まとめ

CRMの基本的な考え方である「顧客を分ける」を実践するための2つの分析をご紹介しました。

デシル分析:購入金額順で顧客を10グループに分類する
RFM分析:最新購入日、購入回数、購入金額の3軸から顧客を分類する

実際に分析を進めていくと思いもよらない発見があったり、
狙ったグループへの施策がうまくいくとマーケター冥利に尽きる感を覚えたり、
かと思えば全然施策が空振りで酒に走ったりと、
CRMはPDCAをずっと高速回転させ続ける仕事です。

まだまだ新米なのでこれからもインプットしたらすぐ実践して、
PDCAをフル回転させていきながら成長したいと思います。

今日の記事が少しでも誰かの役に立つことを祈るとともに、
書いた後にすっかり自分の記憶から抜け落ちないことを願って、終わります。